幸せになるためのイタリア語講座
2004/02/13
シネスイッチ銀座
習い事、稽古事、趣味の継続のもとは「好き」であること。
なのですが、この映画のイタリア語講座に集まる人々、イタリア大好き人間ではなく、
なんとなく「居場所」を求めているような人達です。
なにかと厳しく、味気ない日々の中で、何かが見つかるのではないか、出会いがあるのでは
ないか?
そんなほのかな期待でぽつぽつと集まるデンマークの小市民の皆さんでした。
そんな経験、ありませんか?
3組のカップルを描く『ラブ・アクチュアリー』的な面もありますが、あくまで皆さん小市民。
熱烈なアプローチも積極的な行動もなく、慎み深く、用心深く、そろりそろりと「お相手」を見つめて
いる。
その様子がなんとも微笑ましいです。老いた親の介護、配偶者の喪失、職の喪失、
身体的な悩み・・・そんな負い目が彼らを臆病にさせ、言いたい事が素直に言えず
コミュニケーションをさまたげている・・・遠いデンマークの話でも、身につまされる部分がありました。
そしてクラスの夢のベニス旅行では、「おのぼりさん」丸出し(笑)そして幸せなラスト。
もう、小市民の幸福いいですね。
それも何気ないやりとりで露骨に見せないですから。
エンディングの紙がはらりはらり・・・というのは粋だなぁ、と思ったのですが、何気なくベニスの
ポストカードがはらりと混じっていてこれまた素敵ですね。
(監督が属する「ドグマ」では「監督の名前をクレジットに出さない」というルールがありますが、
そのかわりに・・・)
そしてこの映画の特色は繰り返し。お葬式が繰り返しくい違う、美容院で散髪しようとするたびに
何か起きてまた、美容院のシーンになる・・・何気ない工夫が監督の粋な部分です。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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