10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス

10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス

2004/02/03

恵比寿ガーデンシネマ

 

このプロジェクト、60年代~の単館系映画を追っかけてきた人には、もうなんて贅沢なの???の

ショートフィルムズでしょう。

『イデアの森』は哲学的な実験映像風が多かったのですが、『人生のメビウス』は、嬉しい限り。

(これは自分の好みの監督、作風になじみがある監督が集まっていたからかもしれません)

*アキ・カウリスマキ『結婚は10分で決める』

もう、最初のシーンから、アキちゃんカラーで嬉しい。『過去のない男』前夜ともいえる、

裏ネタ的10分。

*ビクトル・エリセ『ライフライン』

『みつばちのささやき』・・・あの詩情性、やっぱり詩情あふれる映像の連続にため息。

子供たちのまなざしの無垢さ、詩を読んでいるような10分。

*ヴェルナー・ヘルツォーク『失われた一万年』

やっぱり、ヘルツォークさんは、視線がどっか遠くにいっちゃってて文化文明なんて目にないのさ、

一万年を10分にまとめるクレイジーさというか狂気の10分。

*ジム・ジャームッシュ『女優のブレイクタイム』

たった10分しかない女優の忙しいあわただしい休憩時間。

モノクロの映像が美しく、なんともいい感じの10分。

*ヴィム・ヴェンダース『トローナからの12マイル』

ジャームッシュの10分に比べて、なんて長いつらい10分の物語。ああ、病院はどこだぁ~

『パリ・テキサス』が、『アメリカの友人』が・・・のほっとする10分。

*スパイク・リー『ゴアVSブッシュ』

ぱっぱと手際のよさが光る、しかも批判精神はたっぷりの10分。

*チェン・カイコー『夢幻百花』

なんとも微笑ましく、ファンタジックできちんと起承転結まとめた現代中国を皮肉った10分。

10分となると、ファーストシーンでどれだけ観る側をつかむか、が問題だと思うのですが、

この7話どれもはっとする最初、はっとするラストになっていました。

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