花とアリス

花とアリス

2004/03/17

日比谷スカラ座2

 

日本映画には「少女映画」というジャンルがあって、今、この「少女映画」を撮る事の上手さでは岩井俊二監督が

一番かと・・・って再確認しました。

『四月物語』は「お嬢様映画」だったのですが、今回花とアリスの2人の少女は、かわいく綺麗に

撮れているのですけれど結構、身勝手、残酷(?)なこともします。

それもファンタジーになっているから全く嫌味にならないし、逆に花とアリスとどっちに思いいれするか???

なんて気持ちになっています。

あこがれの宮本先輩と花とアリスの三角関係も角がとても丸いトゲのない三角関係です。

おにぎりサンドには笑ってしまいましたが、本当に三角おにぎり、みたいなふわふわ~っとした関係です。

恋愛を性を絡めず、初恋の初々しさのように感じさせてしまう監督の「冷めた視線」が生々しい、

ギスギスした部分を徹底的に排除しているので、やっぱりこの世界は、ファンタジーですね。

現実的であっても、非現実的な美しさ、かわいらしさ。そこの計算、さじ加減がとても上手いです。

春夏秋冬の季節の中の少女たち、バレエをする少女たちなんかを綺麗にいやらしくなく撮ってしまう。

しかし、男の子の存在感のなさ。逆に女の子たちの存在感。「けんかしちゃ、だめだよ~」のフーコちゃんが好きです。

(といっても落妍の部長はいいですね。)

とても漫画を意識していますね。花と宮本先輩が一緒に観にいく映画は『ホルスの大冒険』だったり、

手塚高校(!?)の文化祭は手塚アニメのキャラで埋まっていたり、落妍に入った花ちゃんの名前は

「ピュンピュン丸」・・・そしてカメオ出演の皆さんも意外な人が出てきて、サービス精神たっぷりですね。

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