涙女

涙女

2004/03/02

渋谷・シネマ・ソサエティ

映画は最初の5分を観れば、おもしろいかどうか大体わかる・・・と言ったのは石井克人監督ですが、この映画は、まず最初の5分、主人公のグイが朝の歯磨きをする所から始まります。

このシーンで、グイという女性がどんな女性なのか・・なんとなくわかってきました。

足を大きく開き、豪快にがしがしぺっぺと歯を磨く様が「気が強くて、ちょっとがさつで、不器用で・・・」といった感じです。

ある日突然、とんだ災難に次々と見舞われて、金出せっていわれても金ない、私はなんて不幸なのっ・・・わ~~~んというウソ泣きをスカウトされて(笑)葬式の哭き女になって金を稼ぐ。

中国のお葬式って派手ですねぇ。哭き女といっても歌って踊って葬式を盛り上げる、みたいなことですが歌が

キンキンとしていてなんともはや・・・苦労してはいるんですけれども、

なんとも気丈に生きる様子が『ションヤンの酒家』とはまた違った女性像で興味深かったです。

去年、公開された『ハッピー・フューネラル』も現代中国のお葬式のあれこれが興味深かったのですが、

とにかく金、金、金。

しかし映画はせっかく金を稼いでも・・・なんにもならなかったむなしさ、金儲けのむなしさ、そんなことも描いていました。

ラスト・シーンは秀逸。

映画に少し出てくる置き去りにされた子供、ニウニウ(かわいい名前)ちゃんが、自然なのか、演技なのかわからないけど、上手い! リアルでした。 

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