ロスト・イン・トランスレーション

ロスト・イン・トランスレーション

2004/04/27

シネマライズ2F

 

これはあくまでも「異国」としての東京でしょう。

リアルな日本を描こうとしたのではなく、不思議の風景の新宿、渋谷などなど、外から見た日本の風景であって、

「東京物語」ではありませんね。

異国のネオン街を彷徨う男女の2人。ビル・マーレーとスカーレット・ヨハンソン、この2人のかもし出す雰囲気は同じ。

浮かない顔、がよく似合う2人です。

自分から何をしようという気力がなく、何をしていいのかよくわからない、主張もない、ただ東京の風景の中を

彷徨うだけ。

なんとなく波長が合うのがわかるし、なにを「ロスト」しているのか・・・じわじわとさりげなく描いています。

友情関係にも恋愛関係にもならない2人。恋をする気力もない若者と中年。

周りがどんなにはしゃいでいても、いまひとつ乗り気にならない、その無力感がとても気持ちよく体感できる映画だと思いました。

アメリカ版『きょうのできごと』といった感じです。

日本とは、日本人とはこういうものなのだ、という勝手な解釈、説明、押し付けがましさのないところがとても気に入りました。

観る側も一緒になって、迷子になるのがいいと思いますが、何分日本を舞台にしていますから、違和感や偏りにぴりぴりする人もいると思いますね。

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更夜飯店

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