イン・ザ・カット

イン・ザ・カット

2004/04/07

新宿ピカデリー

 

ジェーン・カンピオン監督は、主演女優をいつも「裸」にします。

全裸になるというより、その本心、本音、醜い、弱いところまでむき出しにしてしまう・・・

『ピアノ・レッスン』ホリー・ハンター、『ある貴婦人の肖像』ニコール・キッドマン、

『ホーリー・スモーク』ケイト・ウィンスレット。そして今回はメグ・ライアン。

そしてカンピオンの映画の特徴、「女にとって男は常に脅威であり、存在を脅かすが性的に離れられないもの」

この映画、一応猟奇的な連続殺人事件を題材にしたミステリーですけれども、犯人さがしよりも濃厚に

描かれているのは、「男に怯えつつ離れられない女」そしてそれがやはりちょっと病的に神経質。

そして出てくる男達、不気味でじわじわ、どんどん迫ってくる。

刑事たちだけでなく、生徒やストーカー?のケヴィン・ベーコンとかも「何かするんじゃないか・・・」という疑惑の目で

描かれてますね。

『ホーリー・スモーク』から、それまでの詩情性、リリシズムがなくなってきたように思えるのが残念ですが、

性の迷いと生活の不快感に悩まされながらふらふらするメグ・ライアンは、泣き顔とかとってもぐちゃぐちゃで、

これまでのイメージを脱したなぁと思います。

しかし、この映画、基本的には特異性と個性が強くてどうしても単館系に思えてしまいます。

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