めざめ

めざめ

2004/04/05

ユーロスペース1

 

最初にまだ若い少年のような闘牛士が、衣装に着替えるところから始まりますが、この映画の芯は

「闘牛というもの」

闘牛を娯楽としていない日本の感覚からするとちょっと残酷で生々しい描写があるのですが、

闘牛で殺された牛のその後を、モチーフにして人間関係をつないでいる所、興味深く観ました。

この映画は肉体というものを、まざまざと見せます。

肉体といっても人間だけでなく、牛、犬、その他のたくさんの生きもの。死んだあとの生きもの。

そしてそれが人間関係と重複して再生されるのです。

そのやり方は色々で、とても重層的で、かなり勇気のいる描写、映像の数々だったと思います。

女性監督ということですが、女性の血の感覚・・・みたいなものを感じました。

男性監督がアクションなどで描く血ではない、女の流す血。

再生の一つとして、出産があり、臓器提供がある。また、剥製という再生の仕方もあります。

反面、死にへの願望、恐怖、過去の傷など、最初はバラバラに複数の家族、人間を描きながら、人間関係の、

人生の再生への回り道を描いているようです。

女優さんたちが、皆、存在感ありますが、5歳のウィニー役の子、なんだかもう大人びた諦観の表情、

ちょっと怖いくらいでした。

肉体や血を見つめる女性の目って、シビアですね。 

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