4人の食卓

4人の食卓

The Uninvited

2004年6月14日　　シネマスクェアとうきゅうにて 2003年韓国：126分：監督　イ・スヨン

宣伝では『イル・マーレ』『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョン主役・・・のホラー映画と宣伝されていますが、実質主役は謎に巻き込まれてしまうパク・シニャンですね。そしてホラーというより、結局解かれることのない謎の数々がどんどん積み重なって、重くのしかかってくる「謎だらけの映画」だと思いました。

何故、主人公は地下鉄で毒殺された2人の少女と遭遇してしまうのか、何故、新居に置いたモダンな食卓にその2人の少女が見えてしまうのか、何故、主人公は7歳以前の記憶がないのか、そしてひょんなことから出会ってしまったチョン・ジヒョンは、何に怯えて病気になっているのか、彼女が巻き込まれてしまった事件の真相はなんだったのか？

謎がたたみかけるように次々とあらわれてきます。その手がかりのヒント・・・のようなものもちりばめられているのですが、謎は消えることなく、どんどん曇ガラスが重なって外が見えなくなるように主人公の視界は全く閉ざされてしまう・・・怖いのは、「何故が全くわからないから」怖いのですね。

こういうことをしたから、その報いで呪われたのよ、とハッキリ説明してくれたらならどんなに救われるか。

混乱が全く解決されずにますます混乱にはまりこんでいく様子が、とてもクリアな映像と照明でじわじわと描かれる、その過程がいいですね。

もう別に「はっきりした動機」とか「すっきりした解決」とか関係なく迷宮に入り込んでいくことをじっくり描いていて、心理的な怖さというものの新しい描き方かな・・・と思いました。