ふたりのミナ

ふたりのミナ

Through Sunglasses

2004年6月10日  国際交流基金フォーラムにて(イラン映画2004) 2000年イラン:98分:監督 モハマト・ホセイン・ラティフィ

まず最初に上映後の主演女優、ファテメ・モタメダリアさんの話によると、イラン映画ではコメディ映画というのは年に4,5本しか作られないそうです。この映画はそんな中、イランで大ヒットをしたという結婚&離婚ドタバタ騒動コメディ。

金持ちで仕事も持っている良く言えば行動力のある、悪く言えば気が強くてわがままな30代の女性ミナは、仕事ばかりで家庭を顧みない夫に不満だらけで離婚を決意。役所へ離婚届けを出そうとはりきって行きます。離婚届には夫婦の身分証明書が必要なので夫もしぶしぶ役所へ。

そこで出会ったのが貧しさから結婚を無理強いさせられて泣きながら抵抗する10代のミナという女の子と父親と乱暴な婿。

父と婿からひどい仕打ちをされている10代ミナを見た30代ミナは、怒ってしまい自分の離婚届はそっちのけで、行動力発揮。10代ミナを連れて役所から逃げ出します。父親と婿は怒って、唖然としている30代ミナの夫を人質にとって、追いかけまわします。

さて、ここから女組VS男組の追っかけあいが始まるのですが、なんとも女組の方が頭良く、有利です。それをどたばたどたばた追いかける男たち。ずるずるとひきずりまわされる夫。

「男ってのはねぇ~~~~きぃ~~~」「女ってのはまったくけしからん!!」という文句がきっちり交互に並んで描かれたり、スリル満点のカーチェイスがあったり(!!)、女同士では意見の食い違いが、男同士ではなんだか同胞相憐れむ友情が芽生えたり、大騒ぎ。

それが実にテキパキとテンポよくわかりやすく明快に描かれていて、女たちの策略も凝っているし、結婚ってものは・・・という意見があれこれ飛び交ったり(方や離婚希望、方や結婚希望の混沌)もう、先が読めない話の転がし方とても上手く、笑いつつも、結婚って一体どうよ?ということも考えさせられ・・・・実に「おもしろい」のですね。

会場にはイランの人たちもたくさん観にきていて、台詞のやりとりのおもしろさ、があるのでしょう、笑いのポイントがずれていたのですが(なんかすごいこと言ってるらしい)、字幕でも十分びっくりの言葉の応酬です。

イランの結婚・離婚の手続きから話は始まるので今の日本では、ありえないスタートだったりするのでとても興味深いものがあります。

そしてふたりのミナがそれぞれ、良い方へ着地するラストも心地よい後味ですね!

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