浮気な家族

浮気な家族

A Good Lawer's Wife

2004年7月15日 シアターイメージフォーラムにて 2003年韓国:104分:監督 イム・サンス

『オアシス』の迫真の演技の記憶がまだ鮮明なムン・ソリ・・・こりゃまた、演技派実証しちゃいましたね。

タイトルの通り、ある裕福な弁護士一家・・・生活はめぐまれているけれども、「浮気する人々」だらけです。

何故浮気するのか・・・その理由ははっきりとは最初は描かれないのですが、何故浮気するのか・・・家族に満足出来ないのか・・・ということを、暗くなく、妙にすこ~んと抜けた雰囲気で描いています。ドロドロ感がないのです。

R-18指定ですから、セックスシーンや全裸が出てくるのですが、なんともあっけらかんとして、淫靡さ全くなし。

これだったら別に18禁にしなくてもなぁ~と思いますが。

奥さんのムン・ソリは夫の浮気を知っていても、きぃ~っとヒステリーをおこすことなく、隣の家の男の子と接近していく。別にあてこすりという訳ではないそのしらけきった表情とか全裸でダンスというより体操しているのも、妙にのびのび・・・を感じてしまいます。

内心の葛藤や嫉妬はあからさまに出さず、何気ないところで「バラバラになってしまった家族」にうんざりしている様子上手いですね。養子である息子との微笑ましいやりとりがあると思うと、夫の両親のなんともいえないユーモラスなバラバラ加減。

夫婦の浮気の報いがやはり出てきてしまうのですが、ラストにかけてその報いに苦しみ、かみしめつつも、落ちることなく前進していく姿、欲望と絶望の狭間で孤立する女の苦しさを余裕の表情でわからせてしまう、のが凄い。それが凝縮されているダンスのレッスン場でのシーン。光と影のコントラストとムン・ソリの声の変化、凄かったなぁ。

ストーリーだけ見てしまうとなんとも不謹慎な話ではありますけれど、全体を貫くすこ~~~んと抜けた雰囲気の方が印象に残りますね。

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