トッポ・ジージョのボタン戦争
Topo Gigio La Guerra Del Missile(Topo Gigio and War of Button)
2004年9月7日 渋谷 ユーロ・スペースにて
(1967年:日本=イタリア:92分:監督 市川崑)
1967年・・・37年前のパペットアニメなのに、なんてお洒落!スタイリッシュ!綺麗!かわいい!切ない!快活でユーモラスな展開、そして戦争への警告!観ていてほとほと感心してしまいました。
1人で夜眠っているところを、車の音で起こされてしまったトッポ(イタリア語でネズミ)ジージョ。夜の街に出て散歩をしているうちに赤い風船(女の子・・・なのね)と出会い、ギャング団の銀行金庫襲撃に巻き込まれてしまう・・・。
人形はジージョと蚤たちだけであとは実写で、ギャング団などは人間が演じているのですが、影絵のように逆光に写る人影、ジージョの目線に合わせた人間の足のクローズアップ。(ギャング団が赤、青、緑、紫・・・とカラフルな靴下をはいているのがお洒落)そしてギャング団の謎のボスが通信機をバナナやセロリにしこんで話しているというユーモア。(会話が終われば食べて証拠隠滅。どういう通信機なのか知りたい・・・)そしてボタンをめぐるハラハラドキドキ。ジージョの生活のおもしろさ・・・お風呂入っちゃうのだ。歯磨き粉はトッポジージョ印のイチゴ味。(昔そんなのあったような・・・気がします)音楽が中村八大さんによる軽快なモダンジャズっていうのもお洒落~~~~
その間に出会った赤い風船に淡い恋心を抱いてしまう孤独なジージョです。子供の頃ってどうしてあんなに風船が好きだったのかなぁ。風船に恋するっていうのもわかりますね。
ジージョの吹き替えは中村メイコさん。市川監督からは、日本語をイタリア語のイントネーションで、そして可愛い子供の声でもだめだし、こまっしゃくれていて、ちょっと生意気、でも心が純で風船に恋してしまうような、かつ大人の声ではだめだ、というリクエストがあったそうです。
ジージョの動きが生みの親、マリア・ペレゴさんですが、ジージョの細かい表情(閉じるとかわいいピンクのまぶた)、すねたような表情、あわててしまう表情、風船に話しかけるときの恥ずかしそうな表情本当に豊かですね。
基本的には夜、なので暗い画面にスポットライトがあたる、という方式を貫いているのも影がくっきり出て綺麗だし、何度も書きますが、アイディア豊富でお洒落。余計なごちゃごちゃは一切なしのシンプルさ。
この映画は夏休みの終わった9月に公開されたのですが、是非夏休みに公開して子供たちに観て欲しいです。
今観てもまったく古くない、という不変が素晴らしいのです。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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