ひとりにして
Leave Me Alone(阿孖有難)
2004年10月27日 六本木ヴァージンシネマズスクリーン2にて(東京国際映画祭)
(2004年:香港:93分:監督 ダニー・パン)
今まで双子の兄、オキサイドと併せて重い映画を撮っていたダニー・パン監督が初めて、香港スター、イーキン・チェン(鄭伊健)を主役にアクション・コメディを作りました。
男らしくてちょっと無神経、女にもてる双子の兄とゲイで女には興味なく優しくて気の弱い弟をイーキンが二役やってます。
親の離婚で香港とタイ、分れて暮らしている兄弟ですが、タイにいる兄が弟の家にやってきて・・・車と免許証を借りて交通事故を起こしてしまって重体、タイでなんだかやばい仕事をして追われている兄にかわってトラブルに巻き込まれる弟のコメディ。
この双子がね、もちろんそっくりなんですけど、ちょっと違うところ、でも同じところっていう配慮がさすが監督自身が双子です。
全く同じ服装しないけれど、なんとなく似た格好をしていたり、長年のアイ・コンタクトで言わなくてもわかってしまったり。
しかし性格的には随分違う・・・兄とすりかわってタイに行った弟イーキンの気弱ぶりがなんとも可笑しい。タイには恋人・ジェーン(ツインズのシャーリーン・チョン)がいるけれども気が強い割にはなんとも情けない。どたばたどたばた・・・一方、入院中の兄イーキンの所には別れたはずの男恋人がおしかけ看護に来てどたばたどたばた。
舞台はタイと香港なのですが、香港生まれでタイ育ち、の監督らしく、どちらの風景もきっちり撮っているのもこの映画の強みですね。よく香港ものではタイが出てくるのですが、なんとなくいつも同じ感じなのでした。
タイの熱気がよく出ているし、映像は相変らずスタイリッシュなんですね。カメラのアングルとかもとても凝っています。そして顔のクローズアップがとても多いです。大スクリーンに顔のアップが続くって疲れるものなのですが、この映画はテンポ快調だし、あまり気にならず楽しめました。
ゲイの弟イーキンがのんびりしてて、ヤクと金の交換という大事な場なのにサウナで裸の男たちがたくさんいるのに目を奪われてにっこにっこしてるとか・・・ジェーンのお父さんと弟イーキンのファッションセンス講義とか、スリルとサスペンスの合間の笑いがとても上手いですね。
そして最後は双子とジェーンが合流しての対決になるのですが、ここから一気にクール&スタイリッシュになだれこみ。もうここらへんはパン兄弟映画ではお得意&お馴染みです。
兄イーキンの行動力と弟イーキンのへっぴり腰が、ただの殺し合いだけでなくしていますね。そしてお互いの恋人の大切さを兄・弟それぞれが再認識する。
監督によると今回の上映は完全に編集が終わっていなくてこれから編集しなおして、香港他で公開予定とのこと。
双子であることについては、はなれていても90%は考えてることは一緒、という仲の良い双子なのでした。
更夜飯店
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