いま、会いにゆきます

いま、会いにゆきます

2004年10月19日 中野サンプラザにて(試写会)

(2004年:日本:監督 土井裕泰)

夫婦がまた恋に落ちる、そういうのってあり?ですが、この映画ではそこを上手く描いていますね。

亡くなってしまったはずの妻(竹内結子)が梅雨の始めに突然残された夫(中村獅童)と息子(武井証)の前に現れる。妻が死ぬ前に残した絵本通り・・・ですが、この絵本通りでいくと梅雨が明ければまた去ってしまうことになる・・・それまでなんとか父子でやってきた生活に、母がまた加わって不思議な共同生活。

竹内結子の儚げな(顔色があまりよくない)風情がこの役に合っている他、夫の中村獅童が、なんとも不器用でも誠実な感じを上手く出していました。優しい、ともいえるし頼りない、ともいえる人、上手いですね。

中村獅童は、もちろん歌舞伎界の人なんですが映画では強面(『ピンポン』)、おどおどとしているいいひと(『阿修羅のごとく』)とこの映画と色々なキャラクターを演じる事が出来るという強みがあります。いわゆるモデルのようなハンサム(?)ではないところが逆にどんな役をやっても自然になる、この人の良さですね。

記憶が全くない妻に夫は高校時代からの同級生で・・・という2人のなれそめを説明することになるのですが、これが後半になって視点を反転させることになる展開の切り替えがスムーズです。小物の使い方もさりげなくていいですね。あまり乙女チックにならず、でもとても優しい使い方です。

雨が降ると現れる人・・・そして雨が上がると去ってしまう人。日本の季節感をとても綺麗に出していました。

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