H【エイチ】

H【エイチ】

H:Mur Mur

2004年11月9日 DVDにて

(2002年:韓国:106分:監督 イ・ジョンヒョク)

公開時はレイトのみで観に行けなかった映画。

妊婦とか妊娠とか・・・に関する連続殺人を扱っていますのでかなりグロテスクでショッキングな描写は避けられないのですが、ただのグロテスク、だけに終わっていないのは、「犯人であるはずの」シン・ヒョン(チョ・スンウ)がすでに死刑囚として収監されているという矛盾と事件を追う刑事達の人間模様、ヒューマンスクランブルを平行して描いていることと、映像が硬質でクリアな処理をしているため生理的不快感はありませんでした。

シン・ヒョンが刑事達に語る穏やかで狂気を秘めた表情と口調がなんとも恐ろしく感じますね。

『ラブ・ストーリー』で古風な純朴青年を演じていた人ですが、この映画では知性を盾にして人を翻弄するのを楽しむ愉快犯という気味悪さがとても効果的。ホラーの部分は血ではなくシン・ヒョンの表情。

シン・ヒョンが起こした6つの殺人と全く同じ事件が次々と起こるわけですが、犯人らしき人物が複数いて最後にちょっと強引ではありますが、意外な結末とそれに対する決着のつけ方、とてもハードボイルド。

全編を釜山でロケしたそうですが、海辺のシーンがとても美しく、色がとても淡く透明感にあふれています。

透明感にあふれる映像ってそれだけでとても切ないものです。

女刑事のヨム・ジュンアは『箪笥』の継母役とこれまたうってかわって行動的な男顔負けの刑事ですが、固い冷たい表情が美しいと同時にまなざしなんかはとても力が強くてただの美人さん、ではありませんね。

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更夜飯店

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