清風明月

清風明月

清風明月(Sword in the Moon)

2005年3月23日 シブヤ・シネマ・ソサエティにて

(2003年:韓国:99分:監督 キム・イソク)

戦いがとても重く、刃の実感がリアルに迫ります。

顔のアップがとても多く、瞳の演技が光ります。

時代は朝鮮王朝時代。かつては武官養成の場「清風明月」で、朋友だった2人の武官が、時代の荒波にもまれて・・・・

ということなんですけれど、刀の刃に刻まれた文字でもある「清風明月」というのは、清らかな風を受け、明るい月を愛でる・・・そんな過去の平和な時代のことです。

そんな時代ではなくなってしまった哀しさ、王朝の高官は常に刺客におびえて、保身のために護衛の武官を集めまくる醜さ・・・舞台となるのが部屋の中、建物の中が多いということもあって、人間の内面の苦しさに焦点をあてているようです。

『MUSAー武士ー』と似たような肉弾戦ではありますけれど、基本設定の壮大さが違います。

その分、建物の中の家具や障子に映る影など細かい撮影の工夫が見られます。

刀での戦いの見せ方がリアルさと緊張感を追求していて、かなり壮絶な血のシーンが多くなっています。

主役の2人、チョ・ジェヒョンとチェ・ミンスは、武術、馬術を徹底的にやらされたというだけあって、力演。

優秀な大将タイプのチョ・ジェヒョンと一匹狼タイプのチェ・ミンス。

チョ・ジェヒョンは『悪い男』で見せた姿とうってかわって、正義感の強い、まっすぐな武将を演じていました。

ラストの橋のシーンは、お金かけただけあって迫力のシーンですが、やはり絶対権力にはあらがえない哀しさもよく出ているシーンでもありました。 

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