最後の恋のはじめ方

最後の恋のはじめ方

Hitch

2005年5月2日  有楽町よみうりホールにて(試写会)

(2004年:アメリカ:監督 アンディ・テナント)

私はマニュアルとか取扱説明書というのが苦手です。

映画はわかりやすくなくてもいいと思うのですが、わかりやすくないと困るのがマニュアルと取扱説明書。特に機械類。

しかし、マニュアルや取扱説明書の文章って悪文が多くて、さっぱりわからないのが実情。

またデート・マニュアル的な若者向け雑誌も嫌いです。マニュアルがないとデートできないとは情けない。そして現実はマニュアル通りにはいかない。

で、この映画の主人公、ヒッチ(ウィル・スミス)は、「恋愛下手男性が女性にもてる為のコンサルタント」で冒頭そのマニュアルぶりが、てきぱきと紹介されるのですが、これが「明解でわかりやすい」のです。

そして、これはナンパマニュアルではなくて、あくまでも真剣に恋をしたい、好きな人に真剣な気持ちで近づきたいという人しか、ヒッチは相手にしない、というのが、硬派と軟派の使い分け、上手し。ラブコメにはめずらしく、男性側からの視点で描かれています。

そんなヒッチに助けられて、高嶺の花のような女性、アレグラという金持ちの女性に近づいていくアルバート(ケヴィン・ジェームス)が、いかにも恋愛下手って風貌、しゃべりかた・・・ヒッチのアドヴァイスが上手くいくのか・・・という別の話も上手く流れが出来ています。

こうしてみるとアドヴァイスするウィル・スミスは過去は全く描かれないけれど、さすがスマートで、説得力あるなぁ。

そして恋愛コンサルタント、恋のキューピッド的存在のヒッチが自分が恋に落ちたら・・・という本筋になるわけで、本筋だけだったら薄っぺらくなってしまうところ、脇役の使い方粋です。

ニューヨークでロケされた観光映画でもあるのですが、9.11のテロ事件以降、ビバ!ニューヨーク!という昔のテイストは出せなくなってしまった感じがありますが、その点、この映画はきちんと抑制がきいているのも良いところです。

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