ワンナイト イン モンコック 旺角黑夜
One Nite in Mongkok 旺角黑夜
2005年6月28日 キネカ大森にて
(2004年:香港:110分:監督 イー・トンシン)
【混沌の街・旺角(モンコック):香港、九龍半島の中心に位置し、世界一人口密度が高いと言われるアジアでも有数の繁華街。(中略)最も香港らしい街であり、最近では香港最大の電脳発信基地ともなっている。しかし、その一方では犯罪発生率も高く、香港の暗部を象徴する街でもある。】(チラシより)
・・・・・・私が香港に行った時、滞在したホテルはモンコックのど真ん中のホテルでした。地下鉄の駅がすぐ近くにあったのを覚えています。
ええ?!そんなにあぶない所にいたのか、私は。もちろん近くの女人街という露天街も行きました。
モンコックの夜の料理屋さんで食べた料理は、香港で食べた物の中で一番美味しかったです。夜店で、ベビーカステラみたいなものを買ってふらふらしていたんですけど・・・う~む、おそるべし、観光客の無知。
しかしこの映画に出てくるモンコックという街はなんだかとても危険そう。2組のヤクザと警察と中国(大陸)からやってきた一人の殺し屋。そんな殺し屋と出会い事件に捲き込まれてしまうやはり大陸からやってきた娼婦。
で、この映画の見所は、寡黙な殺し屋がダニエル・ウーだということで、娼婦役はセシリア・チャン。
ダニエル・ウーはアメリカ生まれの中国人、いわゆるABC(American Born China)で、モデルを経て・・・顔面偏差値がとても高いと言った人がいるのですが、ちょっとハンサムすぎる為、人なつっこい役がなくて、ハンサムながら悪役というのしか私は知りませんでした。
最近では、『香港国際警察』の悪ガキのリーダー(とことん悪い奴)・・・しかし、最近では出演映画が目白押しなんだそうだ・・・え~日本ではなかなか公開されないなぁ、もっと見たい、色々な役のダニエル・ウー。
タイトルの通り、モンコックで暗躍する人々のある一夜の物語。警察達は、ヤクザ撲滅に走り、ヤクザは敵対している、そして孤独な一人の殺し屋・・・ダニエル・ウーは台詞はあまりないのですが、とてもストイックで地味です。でもやっぱりスタイルよくて、カッコイイ感出ていました。
しかし映画全体のムードは、大陸からの労働者、今時の経済事情・・・香港の病んだ部分を色濃く出しています。
あまりすっきりする映画ではないのですが、そのダークさが重厚さにつながっているように思います。
セシリア・チャンはふっくらしていて(一時期、とても痩せていました・・・)最初、セシリアとはわからなかったくらい。
気になったのは、ダニエル・ウーとセシリア・チャンが実は中国の貧しい村の出身同士でほぼ同郷人だということで、言葉の違い・・・広東語と北京語どう使い分けていたのか、ちょっと字幕ではわからなかったです。
しかし『PTU』に似て、暗い香港の狭い街を疾走する人々、交錯する人間関係・・・そんなものがとても混沌としていても筋が通っていて、切ないムードを醸し出している所は、娯楽とは違う映画の良さを持っています。
個人的に嬉しかったのは、サム・リーが最初、ちょっとだけど出てきた所です。わぁ、知らなかった、サム・リーだぁ、なんて一人で喜んでいました。
モンコックの風景をなつかしいなぁ、なんて思いつつ怖いなぁ、と思ったのは、『不夜城』を新宿で観て、映画館を出たら映画に出てきた夜の新宿がど~んという時の気持ちとちょっと似てました。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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