HINOKIO ヒノキオ

HINOKIO ヒノキオ

2005年6月22日 九段会館にて(試写会)

(2004年:日本:111分:監督 秋山貴彦)

事故から立ち直れない少年のかわりに、人型ロボットが学校に行く・・・というアイディアをはじめ、この映画は今時の子供の「遊び」というものがよくわかる気がしました。

秋山監督は、石井竜也監督の『河童』『ACRI』その他『ファイナル・ファンタジー』などでVFX監督をしてきただけあってそこら辺の凝り方というのは、「今時のお子様ってこうなんですか~」という世界。

HINOKIOは、ロボットといってもどこか、ふにゃふにゃした所があってその造形はとてもよく出来ているし、荒唐無稽なアイディアでも不思議と違和感がない。妙にランドセルが似合うHINOKIO・・・

しかしこの映画のテーマは親と子の断絶とその修復で、優しすぎるあまり子供に近づけない父親、というのが結局、自分が傷つきたくないから、優しくすることしか出来ないのか・・・なんて思いました。

HINOKIOを通じて、成長する少年、そして友情とほのかな恋。なんとなく『鉄人28号』みたいですが、こちらの方がソフトです。でも音楽は同じ千住明氏が担当していて、音楽とても綺麗です。

しかし、こんなに子供がヴァーチャルの世界に入ってしまっているのは観ていて怖い部分もありますけれど、そこら辺の決着のつけ方なんかは、まさに親子で安心して楽しめる夏休み映画です。

ヴァーチャルとリアリティの間には人間が存在するっていう主張はきちんと綺麗に描けています。

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