ダニー・ザ・ドッグ
Danny the Dog
2005年7月1日 丸の内プラゼールにて
(2004年:フランス=アメリカ:103分:監督 ルイ・レテリエ)
「レオン」のリュック・ベンソンの・・・という肩書きの映画は、最近「なんでぇ」とか思ってしまうのですが、この映画は中々硬派でよかったですね。硬派といっても、設定的にはちょっとありえない、ハードなおとぎ話なんです。
舞台となるのはイギリスのグラスゴー。借金取り立て人バートに5歳の時からひたすら戦う為に育てられてた男ダニー(ジェット・リー)ってのがまず、ありえないのですが、冒頭、ダニーが次々とやっつけてしまうあたりのつかみはOK、という感じです。
ジェット・リーは小柄なんだけれどもやはり運動能力がずば抜けている。そんな様子を台詞はなく黙々と相手を倒していく様子で語っています。
しかし、借金取り立て人から、盲目のピアニスト、モーガン・フリーマンとその義理の娘、ケリー・コンドンに出会ったことからピアノを通じて、家族の情のようなものに目覚めるダニーです。
血だらけになって死にそうな、しかも首輪をはめている見ず知らずの男を年頃の娘がいる家に匿うなんて・・・って思ってしまうのですが、そこら辺はモーガン・フリーマンとケリー・コンドンの「自然ないいひとぶり」で、あまり気にならないです。
世間を全く知らないダニーが、子供のようにベッドの下に隠れてしまうときの表情とか、料理を習って行く内に笑う時のあどけない少年の表情とかとても純真無垢です。う~ん、HEROで凛々しくしていた姿からは信じられない。
またセーターにマフラーといった少年風の洋服がまた似合ってしまうあたりは、年齢不詳の謎の男って感じもよく出ていました。
しかし、ダニーで金儲けをはじめたばかりの、バートがそうそう簡単にダニーをあきらめるはずがない。
とうとう幸せな家庭にも魔の手が・・・・
ここでアクションがまた冴えるのですが、広い所でのアクションも見応えあるのですが家の中、壁と壁の間が1mくらいしかない狭い所で、かなり高度なアクションをするのを、また手持ちカメラがぐんぐん追う所なんか感心してしまいました。
どうやって撮影したのかなぁ、なんて不思議に思います。
アクションもユエン・ウーピンがアクション演出をしているということがあって、様式美、形式美のような戦いでえげつなさ、がないです。
女性も安心して観られるアクション映画かなぁ。
戦いたくないのに、戦わなくてはならない矛盾に立たされてしまう・・・というのは『ニキータ』風ですが、ピアノ、メロン、そして最後のダニーの笑顔など・・・甘い部分を上手く出していました。
ダニーも強いけれど、バートおじさん・・・もかなり強い。死にそう、死にそう・・・と思わせておいて、ばばば~~~んと出てくるあたり、「つ、つよい・・・」なんて呆れてしまいました。
リュック・ベンソン・・・という人は原則的にリアルさよりも、話をふくらませて「お伽噺」にしてしまうのが特徴かもしれませんね。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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