ラヴェンダーの咲く庭で

ラヴェンダーの咲く庭で

Ladies in Lavender

2005年8月24日 ル・シネマにて

(2004年:イギリス:105分:監督 チャールス・ダンス)

映画にも色々あれど、「いかにも女性に受けそうな映画」と「いかにも男性に受けそうな映画」というものがあると思います。

この映画は、完全に前者「いかにも(イギリスに憧れている)女性に受けそうな映画」です。

それは予告編で十分承知でしたけれど、まぁ、マギー・スミスが好きなので、マギー・スミスを観に行ったようなものです。

イギリスの海辺に住む上流階級の老女姉妹。そこに海辺に外国人らしい青年(ダニエル・ブリュール)が流れ着く・・・世話をするうちに息子のような気持ち、特に妹のジュディ・デンチは、かつて若い娘の頃のときめきのようなものを感じてしまい戸惑う。

青年は、ポーランド人でヴァイオリンを弾かせると、プロ並みの演奏をするのでびっくり。

・・・・とまぁ、こんな感じで、品のいい上流階級老女に、若いかわいい青年という・・・女の人好みの展開が予想通りに展開します。

描写も微笑ましく、テンポもゆったりしていて、わかりやすい。綺麗な食器、メイドが何でもしてくれる暮らし、慕ってくれる若い男。

なんだかなぁ~これに、いちいち声だして反応する満員のおばさま観客には参りましたね。

さすがマギー・スミスは気品と近寄りがたい雰囲気を持つ。

しかし、この映画よく観てね。この老女姉妹・・・・上流階級ではあるけれど、今は貯金と遺産を使いながらつつましく生活しているのです。本来だったら、メイドなんてやとう余裕はないけれど、プライドが許さないのです。

また、下層階級とは一切かかわらない、という上流と下層階級の溝、というのもきっちり描いていますね。

それがイギリス映画の特徴です。

そんな下層階級は受け入れない、高貴なお方の中に、「一般人」である謎の青年というのが入りこんできてしまった、というのがこの映画のドラマなんです。もし、これが村の若者だったら、絶対に受け入れないはず。

そこら辺の甘さがね、鼻についたというか・・・ラストもおばさま満足の結果となって、あっさりとしていますが、わかりやすく受ける映画です。

こんな生活してみたいわぁ~素敵だわぁ~イギリスって素敵ね・・・そんな上っ面だけの映画ではないような気がします。

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