ハリー・ポッターと炎のゴブレット

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

Harry Potter and the Goblet of Fire

2005年12月20日 有楽町丸の内ピカデリー2にて

(2005年:アメリカ:157分:監督 マイク・ニューウェル)

早くも4作目となったハリー・ポッタ-シリーズです。もう原作がどんどん長く、厚くなってくるので、いくら2時間37分という長さにしても、はしょってます、というのが所々わかります。

原作の世界を忠実になぞるのがこの映画のいわば使命です。

だから、あくまでも、出来る事ははしょること。どこをはしょるか、が問題になってくるように思います。

それを原作と比べて、うんたらかんたら・・・言う文句は聞き飽きました、見飽きました。

確かに、原作に思い入れがあると、あまりに映画が違うと文句のひとつも言いたくなる気持ちは私にもあります。

特に世界的なベストセラーになるともうその文句の数は星の数。しかし、映像がこれだけお金かけて、綺麗に作られているのを観ると感心の気持ちの方が大きいですね。

私はこの映画が何が良かったというと、色使いです。

クィディッチ・ワールド・カップの時の会場の美しさ。文章の世界を一目で見せる映像の力、を感じます。

ホグワーツの魔法学校の中の凝った小物の数々。私が特に好きなのは、食堂の明かりが、宙に浮かんだ無数のろうそくである、という映像なんです。

今回、船で他校の生徒達がやってきて、その船が水中から浮かび上がり、また去る時、水中に沈むシーンの美しさと壮大さ。

今回は、他の2校を交えた、学校対決魔法大会です。試練に近い3つの課題をクリアして優勝するのは誰か?

また、魔法大会の行事でクリスマス・ダンス・パーティの様子で、子供子供していたハリー達もちょっと大人の世界に足を踏み入れかける・・・という所なんか微笑ましいです。

ハリーとロンがいつまでたっても、エスコートする女の子を見つけられなくて、困ってしまうあたりが、かわいらしい・・・で、結局、盛り上がるダンスパーティで、白けて(疲れて)壁の花になってしまっているハリーとロンの2人とやっと見つけた、インドのサリーをきた可愛い女の子2人がぶすっとしているシーンは、思わず笑ってしまいました。

メインの魔法大会は相変らず「ハリーの災難」」という感じですが、17歳以上でないと参加できないのに14歳のハリーが炎のゴブレットに選ばれてしまったことから、ハリーは同級生達から避難の目で見られてしまい、親友のロンですらそっぽを向いて険悪なムードが漂う・・・今回、ロンがおまぬけな役というより、成長期の男の子らしいひねくれ14歳という役どころ。また、ロンの双子の兄ジョージとフレッドの飄々としているのがたくさん出てきて良かったですね。弟、ロンの弱みを見つけると「よしっ!」とからかうネタを見つけてにんまりする息の合ったコンビが楽しい。

肝心の魔法対決というのは、これは学校行事にしてはすさまじいなぁ、命がけの行事だなぁ、なんて思いながら、観てしまいましたが、魔法の技を競う、というより、どれだけ度量または勇気があるか・・・といった試練でありました。

子役達もますます成長しましたね、って思うのですが、一番成長しちゃったのは、ネビル・ロングボトム君?ハリーより背が高くなってしまいました。

しかし・・・・アメリカ映画とはいえ、『ロード・オブ・ザ・リング』といい、このハリーといい、公開予定の『ナルニア国物語』といい・・全てイギリスの物語ですね。アメリカ人にとってイギリス人はあくまでも外国人だ、という事を読んだのですが、アメリカのイギリス他、ヨーロッパへの憧れというのは、日本人にはわからない深いものがありますね。コンプレックスとでもいいましょうか・・・まぁ、イギリスの俳優さんを優先させていますが、今回はレイフ・ファインズ、ゲイリー・オールドマンは原型をとどめておりません。それでもやっぱりイギリス人俳優を使うというのが、興味深いです。

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