シムソンズ
2006年3月15日 渋谷シネ・ラ・セットにて
(2006年:日本:113分:監督 佐藤祐市)
これは、女子カーリングの後のオリンピック日本代表になる女の子たちのスポーツものです。
・・・と書いてしまうとなんだか、身もフタもないような気がするのですが、『ロボコン』のように弱小、または何も知らない所からスタートしてどんどん成長していく様がとても素直です。
あまりひねくれた描き方をしていないのですが、1チーム、4人、それぞれの個性があって良かったです。
就職も進学も希望がない、やる気のない女の子が、ひょんなことからカーリングに出合う・・・舞台は北海道の小さな町ですからもともとカーリングは盛んなのですが、どうもやらない子というのは全く興味がないのです。
主人公を演じた加藤ローサって可愛いのですけれど、活き活きとしていて前向きなのはいいけれど、それがいきすぎて周りを巻き込んでしまう強引になってしまったり・・・そういう「ただの可愛い女の子」でなかったのがいいです。
他のメンバーもカーリングは上手いけれど協調性がない、家は大学受験させたい勉強の出来る子、おとなしくて目立たない子、なんですが、それぞれが、だんだん自己主張をしてくるあたりが丁寧。そして、コーチとなる一見駄目大人の大泉洋もうさんくさくて、雰囲気ありましたね。
女の子たちが、最初は、え~~~本当にコーチなの?って疑問に思ってしまうあたり。
このスポーツは今年のトリノ・オリンピックで日本女子が注目されたのですが、私は知らなくて、初めてルールを知りました。
スポーツもので大事なのは、いかに、そのルールを説明するか、なんですけれど、それを台詞で言ってしまうのは禁じ手かもしれません。
これは、皆で、カーリング入門ビデオを見る・・・という形になっていて、なかなかそのビデオが面白かったですね。
そしてこの映画の芯は、「嘘をつかない」ということです。勝つ為にルール違反をして、嘘をついてまで、勝ちたくないという正義感のようなものが気持いいです。どんなに下手でも「嘘は駄目だよ」という芯は通しているのです。でも、ちょっと嘘つかなきゃいけないときもあるんだよね、っていうエピソードのはさみ方がいいです。
若者スポーツ成長もの・・・というのはたくさんあるのですが、よくよく観ると画面の温度ってあるような気がします。
この映画は、風景が殺風景な、広々とした北海道の町とか、道とかが、ちょっとクールダウンの役目をしていたように思います。
特産品は、ホタテとタマネギだけという特産品の使い方もいいです。
こっそりのぞいているつもりが、ぱりん、と足音をたててしまうのは、牧場の敷地にホタテの貝殻がたくさん落ちているから、とか脱力もの。
アメリカの漫画、シンプソンズのつもりが、Pが抜けてシムソンズになっちゃった、というのは私も同じ間違いをして失笑を買った事があるので、なんとなくわかりますね、あの、え???っていう表情。
個人的に好きなのは、なんとかして、協調性はなくてもカーリングが上手い女の子をメンバーにしようと、ブラシ?を奪って牛舎に「人質」にしてしまう所です。あそこは1人で笑ってしまいました。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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