SPIRIT スピリット

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Fearless/霍元甲

2006年3月2日 中野サンプラザにて(試写会)

(2006年:中国:104分:監督 ロニー・ユー)

これはジェット・リー、最後のマーシャルアーツ・・・というのがちょっとショックな予告編でした。

やっぱりジェット・リーも最後なのね、アクションするのも・・・なんて感慨にふけってしまいます。

しかしこの映画は、霍元甲という実在の人物の物語なのですね。

異種格闘技の元祖といいますか、中国武闘の元祖といいますか・・・・20世紀初頭もとは天津の裕福な武闘家の息子が、一度は落ちぶれまた復活し、中国武闘の基礎を作る・・・と。

監督はロニー・ユーですが、アクション監督はユエン・ウーピン。はい、『マトリックス』や『ダニー・ザ・ドッグ』など・・・有名なお方です。

しかし、私はプロデューサーにジェット・リー本人がいる、という事に気づいてしまいました。

ジェット・リー演じる霍元甲という人は、一時、高慢におぼれはするけれども終始、清廉潔白な人として描かれます。

特に後半は、もう、奇蹟の人のようなお人柄です。ある意味、どんどん人間味が薄れていく。

演じる人によっては嫌味になりそうなところ、ジェット・リーの誠実さでギリギリ、セーフ。ここまでの大作映画で、ジェット・リー以外でこういう役を演じる事が出来る人は、う~ん、ジャッキー・チェンくらいかも。

それは日本の武闘家、中村獅童にも言える事で、悪役は原田眞人にまかせて、なんとも潔白な武闘家。ちょっと日本に気を使っているのかな・・・なんて事思ってしまいました。しかし、対決でいきなり真剣っていうのは・・・。

あ、でも異種格闘技で、真剣対ヌンチャクの対決の中で、ちょっと笑ってしまった所があるのですが、そういうはずし方しておいて、さっとまた元のテンションに戻る瞬間技が好きです。

アクションは、早回しやスローモーションを多用してはいますが、さすが、ジェット・リー。

跳躍力の凄さってありますね。ここまでジャンプできるって凄いと思います。やはり武闘を見せるという事に重点を置いている作りの映画ではありますが、意気高揚的な部分もちらりと見えて、そこがいいと思います、あくまでも、ちらり、って所。

音楽は日本の梅林茂だったり、衣装はワダ・エミだったり、ビル・コンがプロデュースしていたり・・・もう大作感漂っていますけれど、ジェット・リーって、大作感を感じさせないのですね。

それは個人的に親しみを持っている私の見方なのだろうと思いますけれど、私は、田舎で田植えしているジェット・リーっていうのが一番好きです。いいですよ、田植えに自分の高慢さを見いだし、ハッとするジェット・リー。

田植えにも深いものがあるのだ。

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