RENT レント
RENT
2006年5月10日 銀座 東劇にて
(2005年:アメリカ:135分:監督 クリス・コロンバス)
とにかく歌の迫力。迫力の歌。
ミュージカルも色々あるのですけれど、やはりスコア、楽曲がどうか・・・というのがミュージカルの決め手。
これは私としては久々に観たロック・ミュージカルです。とにかく歌が凄い。舞台の俳優さんをそのまま起用したそうですけれど、それが良かったのだと思います。
有名な俳優をもってきて歌わせるのではなく、本当に舞台で歌っているのをスクリーンで観る・・・それはそれは迫力です。
ここまで、迫ってくれば私は、ひたすら「へへ~~~」と平伏してしまいます。力業。
描いている世界は、貧しくも芸術を目指す若者達という事になるのですが、歌やロックだったり、映像作家だったり、ひとことに「アーティスト」と言っても色々な訳で、その各人のアーティストぶりが、くっきりしていてとても良かったですね。
貧しくて、家賃(RENT)も払えない若者達だけれども、志は高い。そんな所が気持いいです。
しかし、現実として、麻薬中毒、エイズ、同性愛・・・そんな背景も重く持つという、ただただキレイキレイな世界を夢見るように描かないこの世界がとてもいいです。ロマンチックなベタベタとした甘さがない、ピリリとした世界なのです。そこが受け入れられない人もいるかもしれません。
ただし、曲は次々と繰り出され、圧倒する。スクリーンで、音響のいい映画館で観るべき映画であって、あまりテレビなどでは観たくないですね。
私はロック・ミュージカルが好きで、『ヘドウィック・アンド・アングリー・インチ』を思い出す人が多いかもしれませんが、私が思い出したのは『ヘアー』です。
『ヘアー』の時代(1960年代)、若者の夢をつぶすのはベトナム戦争でした。しかし、このミュージカルは21世紀を目前にしたという設定なのですが若者の夢を、命を奪うのはエイズだ、という所が感慨深いです。
どちらのミュージカルも大変、曲がいいのですが、曲の多さでは『RENT』の方が多いかもしれません。
台詞はあってもすぐ歌になる。最初から最後まで、歌で通してしまうミュージカル(『Tommy』や『エビータ』)もありますが、その辺の強引さはなくて、あくまでも自然な雰囲気を持っています。そこもとても気に入りました。
どうでもいいこと2つ。
歌詞や台詞の中に日本語がでてきますが、それが「秋田犬」「豆腐」「黒澤」でした。秋田犬はAkitaと言うんですね。
それから、このミュージカルでエイズがクローズアップされますが、『チーム★アメリカ ワールドポリス』でチーム★アメリカにスカウトされるブロードウェイミュージカルの俳優、ゲイリー君が出ているミュージカルがひたすら「エイズ!エイズ!エイズ!」という明るいミュージカル。
『リース』(!)というこのミュージカルは『レント』のパロディだ、と改めて『チーム★アメリカ』の深さ(イジワルさ)に気づいたりしました・・・・
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
0コメント