the EYE3

the EYE3

the EYE-INFINITY(見鬼10)

2006年5月3日 新宿武蔵野館にて

(2005年:香港:85分:監督 オキサイド・パン、ダニー・パン)

私はこのシリーズが大好きなのですが、宣伝によると「世界で一番怖いホラー・シリーズ」というのには、小首をかしげてしまいますね。

確かに、見えない霊が見えてしまう、というのは完全にホラーの世界ではありますが、一作目は恋愛もの、二作目は根性もの・・・という印象で私は怖くなかったのです。スタイリッシュな映像と後半にかけてのたたみかけのテンポの良さ・・・そんなセンスの良さを感じていたのです。

そして待っていたのよ、三作目、なのですが、見てみたら、これは「アドヴェンチャーもの」でした。

前二作が、主人公は見たくないのに見えてしまうという苦悩が一応あったのですが、今回は、いきなり明るくタイの遊園地や海で遊ぶ香港の五人の若者。きゃ~きゃ~はしゃいでいる内に、怪談話に・・・・

そして、1人が「霊を見る10の方法」という本を持ってきて、やってみることにする・・・・という訳で、3はわざわざ(好奇心からとはいえ)霊を見にいってしまうのです。

英語のタイトルがINFINITY(無限大)で、漢字のタイトルが「見鬼10」だ、というのはこの10の方法が次々と試されるからでした。

誰もが見える訳ではなく、女の子の1人はなんとしても見えなくて、「なんで私は見えないの!」とか・・・ちょっと脱力ものの軽さがあります。

因果がどうだこうだ・・・というよりも、いたずら心で引き返せなくなってしまった若者たち・・そして冥界に行ってしまった友人を救う為に、臨死体験までして、冥界に行く、正にアドヴェンチャー。

同じパン兄弟の映画でも『アブノーマル・ビューティ』のじっとりとした陰湿感がないのです。ホラーの要素に陰湿、というのがありますが、冒頭のお坊さんのお祈りのシーンからして、陰湿というより、びっくりして笑ってしまうものでした。

その中心になるのがチェン・ボーリンなのですが、結構、チェン・ボーリン、笑わせてくれますよ。

夜、皿を叩いて餓鬼を呼ぶ、って所で、叩いている茶碗が割れて、自分の歯をがんかん叩くとか・・・

まさかシリーズここまできて笑いが来るとは思わなかった。生真面目なホラーファンは怒ってしまうかも。

特に、バスケット・ボールのくだりといきなり一作目の「ボクの成績表知りませんか?」の男の子が出てくるタイミングなんて絶妙。

私はおおおって笑ってしまったのですが。なつかしいねぇ、男の子。

それでも映像はちょっと暗くて、電球の光などがとても怪しげだったり、地下道で女の子が傘に追われてしまう所などはホラーらしいたたみかけだと思います。でも怖いというより、綺麗なんですね。

ホラーというより、アドヴェンチャーものとして楽しめるという、ワンパターンにならないめずらしいシリーズものとして私はとても好きです。

しかし、まぁ、このシリーズは続けようと思えば続けられるのですが、ここら辺でやめておいた方がいいかもしれません。

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