シュレック3
Shrek the Third
2007年8月12日 丸の内TOEIにて
(2007年:アメリカ:92分:監督 クリス・ミラー/ラマン・フライ)
いやはや、シュレックも3作目です。
どんな映画も3作目ともなると・・・・新鮮味が薄れてきてしまうのは仕方ないですが、もう、作り手の異常なほどの根性はわかるアニメです。
だから、これが即、子供むけか、というと、しかも西洋のおときばなしのパロディだから、どれだけ元を知っているか、なのですが、今回は、いやはや、アーサー王伝説もってきました。
日本の小さなお友だちでアーサー王やマーリンに親しんでいる子はどれくらい?・・・大人ですらあやしいアーサー王伝説です。
・・・・なんてことを思ってしまうのでした。
アニメの質はもの凄く高いです。特に毛皮や衣装、髪の毛などの質感は、マットにぬりつぶすだけの日本のアニメとは違う、一本一本の毛がもうそよそよと動いている様子とか感心します。
それを観ているだけでも結構なエンターテイメントなんですが、どちらかというと大人向けだと思う3作目。
長靴をはいた猫が港でたくさんの恋人猫たちに別れを告げるところなんか、声をやっているアントニオ・バンデラスの顔が浮かぶようですわ。
カエルのヘラルド王(ジョン・クリース)が、息絶えるところのしつこさとか笑ってしまうし、しかも、後のカエルたちが歌うのは、ポール・マッカートニー&ウィングスの『死ぬのは奴らだ』(007映画の主題歌、確かね)だったりして、笑う、面白いというより虚をつかれた感じがします。
マニアックなんですよ、細々としたところが。
さて、フィオナ姫と結ばれたシュレックは、ヘラルド王の後をついで王になるのか、といえば、NO。
自分は怪物らしく森の小屋で過ごしたい、と願っている。
では、誰が王に・・・で「アーサー」という少年だというお告げ。
船に乗って王となるアーサーを探しに行く。
そこが、ハイスクールになっていて、いじめにあっているのがアーサー少年。ランスロットはいじめっ子でいばってるし、グィネヴィアはハイスクール女学生だし、マーリンにいたっては、辞めさせられた先生(声がエリック・アイドルで、ジョン・クリースといい、モンティ・パイソン組だったりして、マニアックさにため息をつく)
しかし、前回、王になれなかったチャーミング王子は、王座奪回を狙っている。
城を守っているフィオナ姫は白雪姫、シンデレラ、眠りの森の美女、ラプンツェル姫とタッグを組んで、戦ってしまうのでした。
なんだかなぁ、男性キャラクターがとことん弱くて後ろ向きなのに、戦闘体勢に入る姫たちの強いこと。
クラッシックとしてのフェアリーテイルやフォークテイルを、ここまでイジワルに変換させると、面白いと思うと同時に、小さなお友だちの夢といいますか、浪漫が全くなくなって、これを喜ぶ子供とか・・・ちょっと憎たらしい~なんてため息をついてしまう。
今回はちょっとやりすぎ感が強かったのですが、一応、元の話を知らなくても楽しめるように計算されている、その計算高さはさすがハリウッドです。
毒のきつさも、きちんと計算されているから、楽しいといえば楽しいけれど、よく考えるとため息が出てしまったのが、本音。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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