永遠の魂

永遠の魂

For Eternal Hearts

2007年10月21日 TOHOシネマズ六本木ヒルズにて(第20回東京国際映画祭~アジアの風)

(2007年:韓国:103分:監督 ファン・ギュドク)

 この映画の大きな背景になっているのは、1970年代の独裁政権時代の大学、キャンパスなのかと思います。

話は、大学の講師が、学生に「奥さんとの出会いの話を」と言われて、過去を振り返るというもの。

 しかし、当時、ドイツ文学、独詩を学んでいた青年は、特に政治的な活動はしていません。

しかし、隣の席にいた女学生が、詩を朗読しながら、涙を流しているのに驚き・・・後に声をかけられたら、年上の先輩だったのです。

なんとなく、先輩に気に入られてしまった主人公なのですが、どうも好きというより、ひきずられているような。

その内、その先輩が密かに学生運動をしているのを知ってしまう。

 キャンパスでいきなり始まった学生デモ。

建物の高いところに立ち、拡張器で、扇動しているのは・・・先輩で、突然、飛び降り自殺をする。

 しかし、その後、死んだはずの先輩が、平然と主人公の周りにあらわれる。

幽霊な先輩?の導きで、家庭教師のバイトを始めるものの、どうもその家は、変なのです。

 広々というよりうっそうとした木々のある広い庭。渡り廊下が続く大きな家。両親や家族の姿がほとんど見えない、生活感のない家にいるのは、高校生である女の子。兄、というひとが出てきますが、家の中にはいつもいない。本当に兄なのだろうか・・・なんて思うのです。

 死んだはずの人が平然と現れ・・・その内に、自分が周りから見えていない・・・自分が幽霊になってしまったの?・・・そして謎めいた家庭教師先の家。

理路整然とした理由のない不安にさいなまれる主人公。

 この映画は、生者と死者をくっきりわけるのではなく、幽霊をいかにも・・・と出すわけでもなく、不思議な空気のなかに、死者も生者も混沌とさせているので、ある意味、はきはきとしたストーリーテリングではなく、テンポも妙に遅かったりします。

ラストは、なるほど、というものでしたが、あえて、くっきりと謎解きをせず、ムードで出す、という事をしていました。

わたしは、家庭教師先の渡り廊下のある家、というのがホラーチックで良かったですね。

 多分、この映画は、70年代当時の韓国の情勢というものが、よくわかっていれば、より納得のいく伏線の張り方なのだろうと思います。 

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