ティタシュという河

ティタシュという河

A River Called Titash/Titas Ekti Nadir Naam

2007年11月20日 有楽町 朝日ホールにて(第8回東京フィルメックス)

(1973年:インド:158分:監督 リッティク・ゴトク)

特集上映

 この映画は、158分ありますが、ティタシュという河のほとりだけが舞台となります。

『黄金の河』と同じように、大胆な撮影をしているのですが、やはり、数奇な運命の人々のめぐりあわせの悲劇を描いています。

 思うに、リッティク・ゴトク監督というのは「思いつめる人」なのではないかと思いました。

映画全編にわたって、「重く、苦しく、思いつめる」雰囲気を感じます。

監督自身、後年は精神的に随分、追い詰められたそうで、そんな気性がそのまま映画になっているような。

たいへん悲観的で、別に悲観的な映画はよくない、というのではないのですが、あまりにも「思いつめる」が迫ってくるとつらいものが。

 この映画では豊かだったティタシュという河は最後に、干上がってしまう。

河のように、出てくる人々も悲劇となり、その悲劇は、乾いたような、精神がひからびてしまったような悲劇です。

水分がなくなってしまう河であり、人々の精神。

 リッティク・ゴトク監督は、河を映しますが、その河は決して「豊かさ」を象徴しているものではありません。

流されていき、そして、なくなってしまうもの・・・そんな無と化してしまうものとしての河なのではないでしょうか。 

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