2003/12/23

シアター・イメージフォーラム1

 

中国の文化大革命で廃れてしまった魯采という伝統中国料理。

それを継承しているのが戦後日本に戻り、伝統を守り続けた夫婦のみ、というのは皮肉です。

現代中国では「新魯菜」という現代風にアレンジしたものが主流になっており、それに対してなんとか伝統を保持したい、と望む夫婦であります。

夫婦といっても主導権、発言権があるのは中国で育ち、魯菜を習得した妻の孟江さんであり、夫の浩六さんはよき理解者かつ世話女房のような「世話夫」、ときにお節介夫。

この2人のやりとりがなんともしみじみしていておかしく、頑固一徹不動の孟江さんVSあれこれ気の回る世話焼き浩六さん。

仲の良さもありますが、時には喧嘩。浩六さんの「もう、ダメだ、兄ちゃん(撮影している監督をこう呼びます)今日はダメ、ごめんな、あ、タバコもねぇや」の絶妙なタイミングには笑いました。

それに「だから、ひとりでやりたいのよねぇ」と全く動じない孟江さんも凄い。

料理に対する情熱が、びしびし伝わるのではなく、粘り強く伝わってくるドキュメンタリーです。 

0コメント

  • 1000 / 1000

更夜飯店

過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。