ジョゼと虎と魚たち

ジョゼと虎と魚たち

2003/12/02

ヤクルトホール ( 試写会 )

 

前作で大島弓子の漫画『金髪の草原』を映画化した犬童一心監督ですが、次は田辺聖子の

原作の映画化。

女性作家の原作をとりあげるところ、体に障害などを持っている普通の人とは違う主人公を

とりあげるところ、共通点があり、納得ではあります。

脚本がとても上手くて、その微妙なタイミングを上手く映像化していて何気ないシーンでも

微笑ましい笑いが自然にわいてきました。

本屋の荒川良々の「・・・絶版」と言うタイミングとか(笑)

足が不自由で、ちょっと無愛想でワガママなジョゼを演じた池脇千鶴は表情とか、口調とか

独特な雰囲気があっていいです。

そのジョゼにひかれていく恒夫を演じた妻夫木聡は今までの中で一番いいかもしれません。

今時の大学生の役とはいえ、携帯電話が1回しか出てこないし、ジョゼと恒夫の関係も不器用で

優しくてなんだかノスタルジック・・そして切ない。

ジョゼに嫉妬する女の子が「アンタの武器がうらやましいわ」という台詞、祖母の「この子は壊れ

モンやさかい」という台詞。痛いですね。

生活の音、料理する時の音、食事する時の音、ジョゼが動き回る時の音など、とても鮮明でクリア。こだわりが伺えます。

この2,3年の日本映画は、とても質のいいものがあるのですが、それを支えている人が随分

出ていますね。

台詞のニュアンスが一番良くわかるのは、日本映画。

それを見逃すのは実に勿体無いことです。

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更夜飯店

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