マシニスト
The Machinist
2005年2月2日 ヤクルトホールにて(試写会)
(2004年:スペイン=アメリカ:102分:監督 ブラッド・アンダーソン)
体重を30キロも減量して、この役作りをしたクリスチャン・ベール・・・お疲れ様でした・・・と、まずねぎらってあげたい・・・
一年間不眠に悩まされて、身も心も細くガリガリになってしまった機械工(マシニスト)の男。
そんな不眠生活が2年目になりそうなとき、身の回りに不思議な不気味な出来事がじわじわと起こります。このじわじわ・・・がとてもじわじわ~~~としているんですね。そしてどんどん追いつめられていく。本当に身も心も疲れ果てました・・・そんな身に追い打ちかけるような不安がリアル。
もう、クリスチャン・ベールの瀕死演技であります。『メメント』もそうでしたが、こういう精神的に追いつめられる状況って自傷的になるんですね・・・怖いなぁ。
映像は全編ブルーグレーの色合いで統一していて、クリスチャン・ベールの姿の不健康感にますます拍車かけています。
何故、彼が不眠症になったのか、その謎なのですが、驚愕のラストというより、納得のいくラストです。きっちり着地点押さえてます。
私も一時期、不眠に悩んで、丸三日間一睡もできなかったとき、体がどうなったか、というと吐き気がして何も食べられなくなるんですね。そんな経験もあるので、映画の中の不眠からくる行動の数々、ひぃ~リアル。私も夜、眠れなくて風呂場のタイル、ごしごしやってしまいました。それを観ている自分がなんだか自傷行為をしているような気になってくるのですよ・・・
人間が全く眠らず生きられるのは最長11日間ということですから、この主人公は少しは眠ってはいるのでしょう。
不眠というのは正確には三種類あるのです。①寝付きが悪い②眠りが浅い③朝、早く目がさめてしまう、なのですが、この主人公の浅い眠りの夢を全く描かなかったのは正解、というか、普通だったら浅い眠りで見る悪夢を映像でやってしまうのを、覚醒していて普通に暮らそうとひたすら神経質になっている時間を追ったのがいいです。よくある手、悪夢に逃げるということをしていないのですね。
クリスチャン・ベールはもう次回作、『バットマン・ビギンズ』に出ていますから、ちゃんと体重戻したんでしょうね。
映画の中では、結構走ったりするシーンがあって、こんな体で走ったり、車の運転なんかしたらダメ~~~って、内心悲鳴。
体壊さなかったかしら・・・う~ん、クリスチャン・ベールは『アメリカン・サイコ』『リベリオン』を観ると、とても筋肉質なんですね。
そういう人がガリガリに痩せるとこういう体つきになるのかって(筋肉の部分は妙に残っている)医学書参考写真のようですが、一番、怪物っぽく感じたのは、コーヒーショップで、コーヒーを頼むときの上目使いの病的な目の底光りです。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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