四月の雪
April Snow
2005年10月13日 日比谷スカラ座にて
(2005年:韓国:107分:監督 ホ・ジノ)
もう、ホ・ジノ監督らしい、登場人物男女2人のみの「・・・」という無言と無音の世界。
『春の日は過ぎゆく』『八月のクリスマス』・・・どちらも「・・・」という会話がはずまない2人が近づいていく様をじっくり見せる技、というのは、凄いものがあります。
この映画でいうと、ペ・ヨンジュンとソン・イェジン、もうこの2人だけで107分です、と言い切ってもいいくらい。
私はこの2人の特別なファンという訳ではないので、下手するととってもつらい時間になってしまうところ、やっぱりのめり込むように観てしまったのは、無言、無音の中に潜む、雄弁さ、とういうのがヒシヒシとわかるからでした。
お互いの配偶者同士が不倫旅で事故を起こして、急遽病院にやってきた2人。お互いの配偶者が、不倫三昧のあげく、事故を起こし、その後始末に追われなければならない、悔しさと虚しさと、やりきれなさと・・・・毎日のように顔を合わせなければならない気まずさと。
ベンチに座っている2人のショットだけでも、座り方、顔の背け方、いらいらとする手や足の落ち着かない動き・・・そんな絵でもって気持ちを雄弁に語る事が出来る、というのは凄いことだし、私はとても気に入っているシーンです。
お互い惹かれるようになっても、そこは立場があって、オープンに出来ないもどかしさ。
ホ・ジノ監督はいつもオープンに出来ない気持ちのつらさを綺麗な絵にしますね。
とても絵画的な映像の数々に感心してしまいました。
綺麗な風景の中にいる辛い2人。この2人に相当の実力と自信がなければ、ありえない映画だったと思います。
映画の最中に見たことあるかも、と気になっていた、ソン・イェジンの不倫旦那は、調べたらリュ・スンス。
『冬のソナタ』のヨンゴク、『大統領の理髪師』の若い理髪師のお兄ちゃんでした。
*****後期*****
この頃の映画を見ていると、今はテレビや音楽に落ち着いた韓流ブームが映画にもあったことがよくわかります。韓国映画が本当にたくさん公開されていた時期ですね。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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