夢と現実の日々

夢と現実の日々

ROA HALEMEH/Dreamy Visions

2006年3月5日 赤坂 国際基金フォーラムにて(アラブ映画祭2006)

(2005年:シリア:103分:監督 ワーハ・アル=ラーヒブ)

シリアってどこでしょう・・・思わず、外務省の世界の地図情報・・・なんか見てしまいました。

この映画で出てくるのは、シリアとレバノン。レバノンを取り囲むようにシリアという国があります。

これは1982年、ある父、家長が大変厳しい家の娘が、家を出てレバノンの義勇軍に入る・・・・といういきさつを描いています。

あくまでも、厳格ですぐ暴力をふるう父、優しい母、頭の良い姉、そして本当は文学を学びたいけれど許されず法学部に行っている主人公、家族に押しつぶされそうな弟(長男)の家族を描いています。

この主人公の大学生、ジャミーレを演じたナディーン・サラーメという女優さんは、とても眉毛がきりりとしていて、理知的美人です。同時に上手く立ち回って遊べる姉と違って、男性との恋愛には奥手。

なのに父は、無理矢理結婚させようとする。でも断ると・・・何かあるとすぐに外出禁止だっ!と怒鳴る父。

そんなあれこれを描きながら、暴力的で独裁的な父や、立ち回りの上手い姉、正義感の強い弟・・・がなんだか、中東の国のあれこれなんじゃないかなぁ~と思わせるものがありました。

ジャミーレは、レバノンなのかもしれません。

私は東京フィルメックスでレバノン映画を観ているのですが、『戦場の中で』という映画もこの映画と同時期、1982年あたりの映画でした。

なるほど、こうしてつながるわけだ・・・なんて1人、感慨にふける・・・。

しかしただ、この家の家族は父に虐げられているのかというと、それなりに楽しみというものもあり、ジャミーレは、テレビの仕事をしているナビールという青年と親しくなる。

このナビールが、花を贈るのですが、それがケイトウの花で、しかもケイトウの花の押し花を封筒に入れるという・・・おお~日本で、ケイトウの花を贈ったり、押し花にはしないよ・・・なんて所、興味深く観ました。

またジャミーレも学校では軍服のような制服を着させられて行進なんかしているのですね。普段は女の子らしい格好をしているのに妙にごつい制服を着たりしています。

さて、家を出たジャミーレは、どうなるのでしょう・・・・そんな提案をしてこの映画はおわります。

とても、家族の対立などがクリアなのですが、その裏に描かれているものは深い、とみました。

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