ラジニカーント★チャンドラムキ 踊る!アメリカ帰りのゴーストバスター
Chandramukhi
2006年9月2日 渋谷 シアター・イメージフォーラムにて(踊る!兄貴祭り〈チャンドラムキ〉公開記念映画祭)
(2005年:インド:堂々165分:監督 P・ヴァース)
インドのSUPER★STAR(カタカナじゃ、ダメです。英語でね)ラジニカーント。通称、ラジニ兄貴。
『ムトゥ、踊るマハラジャ』などで有名です。今回、ラジニ兄貴の新作『チャンドラムキ』他、一挙兄貴の映画を4本上映するという暴挙、いや快挙。
とにかくラジニ兄貴はSUPER★STAR。だって、映画始まっていきなりスクリーンにどーんとSUPER★STARと・・・。これ以上、説明はいらんっという出だしであります。
もう、堂々165分、余計なエピソード盛りだくさん。チャンドラムキの話は、全体の1/3くらいですんでしまいますが、それじゃ、ダメなのだ。
これでもか、これでもか、クルクルクルクル、ラジニ兄貴のSUPER★STARぶりを拝見するのがこの映画の意義であり、目的なんであります。
ラジニ兄貴、登場には、ひとつの出来上がった話が必要です。だから最初は、建築会社の落札がどうたらこうたら・・・出てきて、あ、暴漢がひとりの男を襲いだした!そこに、上から下から(ガラス張り)横から、斜め上から、ぐりぐりとアングル使い回して・・・・・・ラジニ兄貴の登場!
ふっとサングラスをはずして、ばばばば~と1人で50人くらいを相手にするラジニ兄貴。
ラジニ兄貴が歩くと、足元の枯葉がくるくると回って舞い上がる(風は吹いていない)
あちょーっとワイヤーアクションで、蹴りをいれてもワイヤーアクション身についていないから空中で静止して足を上げただけで、相手の男2人がふっとび、その先にはなんでいきなり電光掲示板・・・派手な花火を上げて悪者、倒れる。
そして助けた男は、親友だったのです。アメリカから帰ってきたラジニ兄貴、派手なご帰還です。しかし、「ふ。お嬢さんが悪漢に襲われていたのでね・・・」なんて、すらっと言い切る・・・けれど、お嬢さんは出てきていないのですが。。。
ああ、ここまででこんなに行数を使ってしまいました。映画にしたら10分くらいですよ。あと155分あるんですけど。どうしましょう。
とりあえず、エッセンスだけ書き抜きましょう。
*ラジニ兄貴は、アメリカで精神分析医として活躍されているところインドに戻ってきた。
↓
*再会した親友夫婦は、お金持。でも、親の反対を押し切って結婚したので同居できない。
↓
*そこで、あるお屋敷を買って住む事に。
↓
*しかし、その屋敷とは、呪われた屋敷だったのだ。
↓
*なんだかんだいって、一族がその屋敷に住む事になってしまって、ラジ兄貴も当然、そこにいる。
↓
*呪いとは、大昔、チャンドラムキという踊子が無念の死をとげたことに成仏できなくて屋敷にとりついているのだ。
↓
*ラジニ兄貴は、その謎を解き、呪いも解くのだった。
・・・・あ・・・こう書くと、すっごくつまんない映画だなぁ。
しかし、この’↓’の部分が重要なのです。呪いの話の途中でいきなり、(どこからでてきたのかわからない人々)大群衆での歌と踊り。
歌を歌い、常に大群衆のセンターに立つのは、ラジニ兄貴。皆、笑顔でイキイキと歌い踊る。
歌は繰り返しになるのですが、その時、「リピート!」と合いの手が入ります。正確には、「るぅりぃぴぃとぉう!!!!」
太った髭のおじさんが、右斜め上をかっと向いて、真っ白い歯をニカッと見せて・・・「るぅりぃぴぃとぉう!!!!」・・・この瞬間、私はもう、ぐっときましたね。もう、胃のあたりが、こう、ぐっとね。
そして、美しい娘と出会うラジニ兄貴。そこでいきなり、トルコの遺跡をバックに2人の愛の歌と踊り。背景はくるくる変わる、衣装もかわる、歌が終わった所で別に何の進展もないにせよ、とにかく、トルコの遺跡なのであります。
ラジニ兄貴の才能は、とどまることをしらない。アメリカで精神分析医をしているので、人が考えている事が、読める、読心術をマスターされている。でも、それだったら、チャンドラムキの謎は最初から・・・・・あっ、そういう事は決して言ってはいけませんよっ。
どうでもいいときだけ、ちゃ~んと心が読めるのだ。びっくりする周りのひとたち。
ラジニ兄貴の才能と活躍に、辻褄なんて必要なし。話が全く辻褄あわないまま、驀進を続けてもそれはもう、正しいラジニ兄貴のあり方なのです。突然、皆で楽しく凧上げ。そして歌いながら、踊りながら凧を上げる。子供たちも楽しそう。そう、楽しそう・・・・この映画の大きなパワーとは、ずばり「とっても楽しそう」そして、決め台詞の後には必ず、うるさいほどのエコー。ぶわわん、ぶわわん、とエコーがかかる。
しかし、もうラジニ兄貴のSUPER★STARぶりに、何度も何度もぐっときていますと、映画、2/3位の所で、もう、観ている私は疲労困憊。
しかし、しかし、しかし、これからが、兄貴が呪いを解く大がかりなクライマックスの大波が待っていたのだった。
映画は大盛況で、立見まで。しかし、上映後、映画館から出てくる人たちの顔が、顔面蒼白だった・・ような。
顔面蒼白になるまで、映画を観るなんて、なんて贅沢。しかも、兄貴の映画を観た後は、ずっとずっと白日夢のように兄貴のお姿が目に浮かんでしまうのでした。恐るべし、ラジニ兄貴。そして素晴らしいラジニ兄貴。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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