ドラマー
The Drummer/戦鼓/Zhan Gu
2007年11月21日 京橋 東京国立近代美術館フィルムセンターにて
(2007年:香港=台湾:119分:監督 ケネス・ビー)
コンペティション作品
『花都大戦 ツインズ・エフェクトⅡ』で思いっきり、脱力させてくれた、成龍ことジャッキー・チェンの息子、ジェイシー・チェン。
ジェイシー主演の香港映画が、東京フィルメックスのコンペにかかる、というのがびっくりだったのですが、ケネス・ビー監督はもう、第一回の東京フィルメックスに上映されている監督さんなのでした。
香港映画の監督さんだから、ジャンル、なんでもこなす・・・という訳で、コメディも恋愛ものもアクションも・・・撮っていたそうですが、今回は、台湾の実在する古典太鼓ユニット、Uシアターに出合って、その演奏と、彼らの台湾での修行のような練習風景に接して、いたく監督、感動されて脚本を立ち上げたらしいです。
でもドキュメンタリーではありませんから、香港の若者が、台湾の太鼓ユニットに参加して成長していく姿を、娯楽を交えて映画にしていて、観ていて楽しかったですねぇ。
香港のヤクザのボス(レオン・カーフェイ)の息子、シド(ジェイシー・チェン)は放蕩息子で、バンドでドラムをたたいたりしていますが、父親の相対するヤクザの愛人に手を出したことから、もう、お前は香港を離れろ!!!と台湾へ逃げる。
ひとりではなく、お目付役としてボスの右腕、アチュウがついてくる。
このアチュウを演じたのが、ロイ・チョンでした。
うう、ロイ・チョンのファンで、今回、『Exiled 放・遂』に続いて、お姿が見られて、わたしは、ジェイシーよりもロイ・チョンに感無量。
もう、個人的な思い入れでございます。
もう、ロイ・チョン、くせがあって、いいよね。インパクトあります。もっと、ロイ・チョン、出して~~~監督~~~と、ミーハー道一直線だっ。
台湾の緑の山奥にたどりついた2人は、遠くからの太鼓の音に気がつく。
行ってみると、20人くらいの人たちが、太鼓をたたいている。
日本でも和太鼓ユニットとかありますが、どん、どん、どん・・・という太鼓の音とかリズムというのは、音楽というか、人間の底辺にあるものなのでしょうね。
太鼓の音というものを、伝える・・・そんなことも映画の目的であったのでしょう。
Uグループという太鼓ユニットの人たちは、山奥で自給自足の共同生活をしていて、練習も厳しいけれど、普段の生活も修行のよう。
香港でドラムたたいてたんだぜ、オレは・・・なんて、自信たっぷりのシドは興味を持って、そのユニットに入れてもらう。
アチュウは、香港での金持ヤクザの放蕩息子ぶり、ええかげんぶりを知っているから、「まぁ、すぐやめるだろうけどね・・・好きにしなさいね」と自分は、「人生の目標を立てましょう!」といった自己開発セミナーに通い始めるところが、笑えます。
しかし、ぼんぼん息子が、いざ、やってみようとすると、全然出来ないのだ・・・・まぁ、当たり前ですが。
そこにいる、若い女性がアンジェリカ・リーです。
この修行が、背中の袋に河原の石を40個背負って、過ごしなさい・・・なんていう、『ドラゴン・ボール』の亀仙人と孫悟空のような修行だったりしますが、ええ?とへちゃむくれるシドに、アンジェリカ・リーは、「わたしはずっと落葉を拾いなさい」だったわよ・・・と冷たく突き放す。
シドは、最初から、やる気満々で、太鼓に向かった訳ではなく、完全になめているのです。
だから修行にも不満ばかり。自分がいつも、主役、中心でないと気が済まない高慢な放蕩若者全開で、これをジェイシー(本物のぼんぼん)にやらせたところに、内心にやり。
だが、シドはだんだん、太鼓に魅せられていき、世界ツアーの話が出る。
その最初が香港だという。
シドは香港では、追われている身だから、まずいのですが・・・・そして香港に戻って・・・・という、ね。
シドの父親を演じた、レオン・カーフェイは、この人も変幻自在な役者さんだから、何でも出来る凄い人です。
今回は、とにかく横暴な無神経な荒くれヤクザで、シドの(長女)からも愛想をつかされているという、出番は少ないけれどインパクトあり。
香港での太鼓の公演はどうなるのか、父との葛藤はどうなるのか、また、ヤクザの跡目争いなんてものも、出てくるてんこ盛りな、いかにも香港映画らしい、話の持って行き方ですけれど、基本はとても真面目な映画なんですね。
まぁ、実際、撮影でジェイシーくんは、随分ぼんぼんぶりを発揮したそうですけれど、まぁ、ちょっと細身になって、「・・・これは・・・」と絶句するようなものではなかったですね。立派になってくださいって、わたしは小学校の恩師か?
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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