グレン・グールド 27歳の記憶
2007年11月21日 銀座テアトルシネマにて
(1959年:カナダ:58分:監督 ロマン・クロイター)
グレン・グールド、没後25周年を記念してリバイバルされたというドキュメンタリー映画です。
わたしは、音楽一般疎いので、バッハの天才と言われたグレン・グールドという人を知りませんでした。
しかし、この映画当時、27歳だったグレン・グールドという人、とても、魅力的で、落ち着いていて、老成した人であり、かつ、とても頑固な人でした。
映画は、前半30分が自宅のあるカナダでのプライベートの様子、’Off the Record'、後半30分がニューヨークでの録音風景を追った'On the Record'と2部構成になっています。
天才・・・特にバッハを演奏させたらこの人にかなう人はいない・・・と言われた人ですが、カナダの湖畔の自宅を離れず、仕事の時だけ、ニューヨークに出ます。
自宅では、愛犬のコリーと2人暮らし。
愛犬の前で、ピアノに向かいます。地元では全く知られていない人気ピアニスト。
レコードでは、世界的評価をされていても、本人は自然に囲まれた生活がいい、と譲りません。
また、当時はレコードなのですが、演奏会よりも、スタジオ録音の方がいい・・・大勢の人の前で演奏するのは苦手だ・・・と、これまた譲りません。
今で言うなら、最先端の技術に飛びつく人でしょうし、古い体質に固執しない、新しい企画にどんどん乗るけれど、プライベートでは、ひとりを好み、ある意味、人嫌いです。
バッハを弾くときの真剣な姿、録音のテイクを何回重ねても納得のいかない様子・・・今時の27歳とは思えないプロ意識の塊。
また、「35歳までに金を貯めて、後は作曲活動に専念したい」とはっきり言うところなど、しっかり、を通り越した老成・・・を感じます。
当時の録音の様子なども面白いのですが、ピアノに熱中すると、メロディを歌い出す癖の為に録音技師が苦労する・・なんて話も興味深いですね。
そして、この人がひくピアノの曲は、本当に美しくて、天才というのはこういうものかあ・・・と感心しきり・・のドキュメンタリー映画です。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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